○思い出
『フレグランス』
懐かしい匂いがした
それは単なる果実のフレグランスだったけど
あなたと初めて会ったあの夜と同じ匂いがした
どうしようもなく抱きしめたい気持ちになって
しめつけられる
あの日
あれは天の川みたいにきらきらしてたよ
映し出された私は悲しそうだった
あなたの幸せを願って
そしてあなたの喜ぶ顔を思い浮かべて
嬉しそうな私が映ったよ
あの日が見えないくらい
今は遠く遠い
辿り着いた今日がまるで白昼夢みたいで
ひとり取り残された
思い出はこんなに鮮やかに甦るものなの?
心がここにいないみたいな不思議な感覚を覚えて
忘れられない時へ戻ろうとして引き裂かれそうだよ
蛍の光みたいにさまよう今日も
意味はあるの?
いいえ、意味なんてきっとない
ただアイスルだけ
死ぬまでアイスルだけ
ならば私はこの匂いを覚えておこう
あなたは何も言わなかったけど
あなたはこの匂いが好きだった
私は何も言わなくてもわかっていたよ
あなたの気持ちが手に取るようにわかってた
まるで自分のことのように
あの果実はまるで私の恋そのもの
あなたは
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